50歳を前にして、まだ人生を広げている

若い頃の私は、人生を「広げる」というより、目の前をどうにか生きることに必死だったように思います。

仕事をどうするか。
収入をどう作るか。
家族をどう守るか。

先のことを考える余裕よりも、まず今日を何とかする。

そんな時期が長くありました。

介護タクシーを始めたのも、最初から立派な理念があったわけではありません。

自分にできることは何か。
自分でも勝負できる仕事は何か。

そう考えながら始めた事業でした。

気がつけば、それから20年以上が経ちました。

そして50歳を前にした今、若い頃とは違う意味で、もう一度人生を広げようとしています。

今回は、自分自身のこれまでを振り返りながら、人生を再構築するときに大切だと感じていることを書いてみます。

目次

昔は「生きるため」に仕事を作っていた

事業を始めた頃は、とにかく仕事が欲しかった。

開業しただけで仕事が入ってくるわけではありません。

だから病院や施設、ケアマネジャーのところへ自分で足を運びました。

営業が得意だったわけでもありません。

断られることも怖かった。

それでも、「ここまで来たら1秒でインターホンを押す」と自分の中でルールを決めていました。

考える時間を作ると、逃げる理由を探してしまうからです。

インターホンを押す。

名刺を渡す。

仕事をいただく。

また挨拶に行く。

今振り返れば、人生が変わったのは何か大きな決断をした瞬間ではなく、こうした小さな行動の積み重ねだったように思います。

人生を変えるというと、会社を辞める、引っ越す、起業する、資格を取るなど、大きな決断を想像しがちです。

でも実際には、一人に連絡する、一冊の本を読む、申し込む、会いに行く。

そんな小さな行動が、半年後、一年後の自分を変えていきます。

人生を変えるきっかけは、人との出会いだった

これまでを振り返ると、私の人生が大きく変わったタイミングには、必ずと言っていいほど人との出会いがありました。

自分一人で考えて、突然すべてが変わったわけではありません。

その時その時で、考え方を教えてくれる人、進む方向を示してくれる人との出会いがありました。

その出会い方もさまざまです。

直接紹介された人もいます。

読んだ本の著者であることもあります。

YouTubeで見つけた人であることもあります。

最初は画面越し、本越しの出会いでも、

「この人の考え方は、自分に必要だ」

「この人からもっと学びたい」

と思うことがあります。

私は、この感覚を大切にしたほうがいいと思っています。

45歳を過ぎてからも、私は良い師と巡り合うことができました。

年齢を重ねると、人から教わる機会は減っていくように思われるかもしれません。

経験も増えます。

仕事でも立場ができます。

すると、知らず知らずのうちに、

「今さら誰かに教わらなくてもいい」

と思ってしまうことがあります。

でも私は、むしろ年齢を重ねてからのほうが、誰と出会うかが重要になると感じています。

自分の経験が増え、考え方が固まってきたからこそ、自分一人では見えない世界を見せてくれる人が必要になるからです。

「この人だ」と思ったら、会いに行く

世の中には、情報があふれています。

本もあります。

YouTubeもあります。

SNSもあります。

だからこそ、情報を集めるだけで終わってしまう人も多いのではないでしょうか。

私は、情報を得ることと、人生を変えることは別だと思っています。

大切なのは、その中で、

「この人だ」

と思える人を見つけることです。

そして、本当にそう思えたなら、できる範囲で会いに行ってみる。

セミナーがあるなら参加する。

講演会があるなら足を運ぶ。

コミュニティがあるなら入ってみる。

直接話せる機会があるなら申し込んでみる。

もちろん、すべての人に簡単に会えるわけではありません。

費用がかかることもあります。

遠方まで行かなければならないこともあります。

少し勇気が必要なこともあります。

それでも、画面越しに何十時間見ることと、実際にその人がいる場所へ一度行くことでは、得られるものが違います。

話の内容だけではありません。

どのように人と接しているのか。

どんな人がその人の周りに集まっているのか。

どんな基準で物事を判断しているのか。

そうしたものまで含めて、自分の中に入ってきます。

そして、その一度の出会いが、その後の数年を変えることがあります。

人生を変える出会いは、待っているだけではなく、自分から近づくことで生まれることもあります。

人は、自分が知っている世界の中でしか選べない

人生を変えたいと思っていても、なかなか変えられない理由の一つは、

自分が知らない選択肢は、選ぶことができない

からだと思います。

会社員しか知らなければ、会社員としてどう生きるかを考えます。

一人で仕事を作る人を知らなければ、起業という選択肢そのものを現実として感じられないかもしれません。

本を書く人と接点がなければ、「自分の経験を本にする」という発想も浮かばないかもしれません。

ところが、自分より一歩先を歩いている人に会うと、

「こんな生き方もあるのか」

「こういう仕事の作り方もあるのか」

と、初めて別の選択肢が見えることがあります。

選択肢が増えれば、人生は広がります。

だから人生を変えたいなら、環境を大きく変える前に、

会う人を変えてみる。

これはかなり有効な方法だと思っています。

誰かの人生を、そのまま真似する必要はない

ただし、師と呼べる人に出会ったからといって、その人の生き方をすべて真似する必要はありません。

その人には、その人の人生があります。

自分には、自分の人生があります。

教わるのは、

考え方。

判断の基準。

行動の仕方。

物事を見る視点。

そうしたものです。

そこから自分に合うものを取り入れ、自分の人生に合わせて使えばいい。

大切なのは、誰かになることではありません。

誰かとの出会いによって、自分の可能性を広げることです。

人生を再構築するときは「今あるもの」から考える

人生を変えたいと思ったとき、多くの人は、

「自分には何もない」

と考えてしまいます。

でも、本当に何もない人はほとんどいません。

仕事の経験があります。

人とのつながりがあります。

失敗した経験があります。

得意なことがあります。

人からよく頼まれることがあります。

自分では当たり前すぎて価値だと思っていないものもあります。

人生を再構築するとき、ゼロから別人になる必要はありません。

まず、

今、自分が持っているものを棚卸しする。

ここから始めればいいと思います。

例えば、

  • できること
  • 経験したこと
  • 人から頼まれること
  • 知っている人
  • これまで乗り越えたこと
  • 苦労したからこそ分かること

を書き出してみる。

そうすると、自分が思っていた以上に多くの材料を持っていることに気づくはずです。

人生の再構築とは、別人になることではありません。

今までの自分を材料にして、組み合わせ方を変えること。

私はそう考えています。

変えるものと、残すものを分ける

人生を再構築しようとすると、何もかも変えたくなることがあります。

でも全部を変える必要はありません。

変えたほうがいい習慣。

見直したほうがいい人間関係。

惰性で続けていること。

手放したほうがいい仕事。

そうしたものは変えていけばいい。

一方で、

大切にしたい家族。

これまで築いてきた信用。

長く続けてきた仕事。

自分なりの価値観。

こうしたものまで捨てる必要はありません。

人生を変えるというと「リセット」という言葉が使われますが、私はむしろ編集に近いと思っています。

必要なものは残す。

不要なものは減らす。

足りないものは加える。

順番を変える。

それだけでも、人生の見え方は大きく変わります。

50歳を前にして、新しいことが増えている

少し前の自分なら、50歳くらいになれば、ある程度仕事を完成させて守りに入る姿を想像していたかもしれません。

ところが実際には、まったく逆でした。

本を書く。

自分の経験を発信する。

セミナーを考える。

新しい組織を作る。

同じ業界で働く人たちと連携する。

これまで経験してきたことを、次の人へ渡していく。

むしろ今のほうが、やりたいことが増えています。

もちろん、若い頃のように何でもできると思っているわけではありません。

体力も時間も無限ではありません。

だからこそ、

「自分が全部やる」

という考え方から、

「自分が経験したものを仕組みにする」

という考え方へ変わってきました。

これも人生の再構築なのだと思います。

年齢を重ねたからこそ使えるものがある

年齢を重ねると、失ったものばかりに目が向くことがあります。

体力。

若さ。

時間。

新しいことを覚える速さ。

確かに、若い頃と同じではありません。

しかし、その代わりに増えているものもあります。

経験。

判断力。

人を見る力。

失敗した数。

人とのつながり。

信用。

自分の得意不得意への理解。

これは若い頃にはなかった資産です。

20歳には20歳の戦い方があります。

50歳には50歳の戦い方があります。

若い人と同じ方法で競う必要はありません。

今の自分が持っているものを、使える場所で使えばいい。

過去は消せない。でも意味は変えられる

私は、これまでの人生がすべて順調だったとは思っていません。

遠回りもしました。

失敗もしました。

うまくいかなかったこともたくさんあります。

「あの時こうしていれば」

と思うことだってあります。

でも最近は、過去をやり直したいとはあまり思わなくなりました。

過去そのものは変えられません。

ただし、

過去の意味は変えることができます。

失敗だった経験が、人に伝えられる話になる。

苦しかった経験が、誰かの気持ちを理解する材料になる。

遠回りした経験が、これから同じ道を歩く人への地図になる。

当時はただ苦しかった経験でも、数年後には誰かに伝えられる材料になっていることがあります。

だから、

「無駄だった」

と早く結論を出しすぎなくてもいいのだと思います。

「やりたいこと」が分からなければ「必要とされること」から始める

人生を変えたいけれど、

「やりたいことが分からない」

という人もいると思います。

私は、それでも構わないと思っています。

自分が本当にやりたいことが、最初から明確な人ばかりではありません。

そんなときは、

誰かが困っていることを見る。

これも一つの方法です。

誰が困っているのか。

何に困っているのか。

自分にできることはあるか。

自分の経験を使えないか。

必要とされることを続けているうちに、それが自分の役割になっていくことがあります。

やりたいことを探し続けて動けなくなるより、

「今の自分で役に立てること」

から始める。

そこから人生が広がることもあります。

人生を変えるときに、最初から正解を決めない

もう一つ大切なのは、

最初から正解を決めようとしないことです。

「この道で本当に正しいのか」

「失敗したらどうしよう」

と考えすぎると、動けなくなります。

でも実際には、やってみなければ分からないことばかりです。

私も介護タクシーを始めたとき、20年以上続けることになるとは分かっていませんでした。

会社になることも分かりませんでした。

本を書くことも考えていませんでした。

今取り組んでいることの多くも、数年前には想像していません。

最初から人生の完成図を作る必要はありません。

まず一歩進む。

そこで見えた景色から次を決める。

また進む。

人生は、計画通りに進めるものというより、

進みながら修正していくもの

なのだと思います。

人生を再構築するために、今日できること

人生を変えるために、いきなり大きな決断をする必要はありません。

まずは、次のことを考えてみるだけでもいいと思います。

1.減らしたいものを一つ決める

時間を奪っているもの。

ストレスになっているもの。

惰性で続けているもの。

一つ減らすだけでも余白が生まれます。

2.自分が持っているものを書き出す

経験。

資格。

人脈。

得意なこと。

失敗した経験。

自分の資源を確認します。

3.「この人だ」と思える人を一人探す

本でもいい。

YouTubeでもいい。

SNSでもいい。

今の自分より一歩先を歩いていて、

「この人から学びたい」

と思える人を探します。

4.その人に一歩近づいてみる

本をもう一冊読む。

セミナーに申し込む。

講演へ行く。

コミュニティに参加する。

直接会える機会があるなら、会いに行ってみる。

見るだけから、行動へ移します。

5.24時間以内にできる行動を一つ決める

電話する。

連絡する。

申し込む。

予約する。

予定に入れる。

人生の再構築は、考えた日ではなく、

動いた日から始まります。

今は「自分のため」だけではなくなった

若い頃は、生きるために仕事を作りました。

家族を守るために仕事を続けました。

会社を守るために事業を大きくしました。

そして今は少しずつ、その先を考えるようになっています。

自分が経験してきたものを、誰かに渡せないだろうか。

自分たちだけがうまくいけばいいのではなく、業界そのものを少し良くできないだろうか。

移動に困る人を減らすことはできないだろうか。

一人で頑張っている事業者が、もう少し安心して仕事を続けられる環境を作れないだろうか。

昔の私には、そこまで考える余裕はありませんでした。

だから、これも自分自身の変化なのだと思います。

人は、自分のために頑張る時期もあれば、自分の経験を誰かのために使いたくなる時期もある。

それもまた、人生が次の段階へ進んだということなのかもしれません。

まだ完成する必要はない

もうすぐ50歳になります。

昔なら、「人生の後半」という言葉を使っていたかもしれません。

でも今は、あまりそう感じません。

やったことのないことがまだあります。

会ったことのない人もいます。

作ったことのない仕事もあります。

伝えられていない経験もあります。

そう考えると、まだまだ途中です。

人生は、ある年齢になったら完成させなければいけないものではないのでしょう。

何度でも組み直していい。

方向を変えてもいい。

一度作ったものを見直して、また作り直してもいい。

人生の再構築とは、過去を捨てることではありません。

今までの経験を材料にして、これからの生き方をもう一度設計することです。

過去を否定するのではなく、使う。

ないものを数えるのではなく、今あるものを見る。

そして、自分の世界を広げてくれる人に出会う。

「この人だ」と思ったら、一歩近づいてみる。

完璧な答えを待つのではなく、小さく動く。

動きながら、また修正する。

私の人生も、そうやって少しずつ変わってきました。

これからもきっと、誰かとの出会いによって、まだ知らない世界を見ることがあると思います。

人生は、何歳からでも再構築できる。

そして、そのきっかけは、今日読んだ一冊の本や、偶然見た一本の動画、そして「会いに行ってみよう」と決めた一歩なのかもしれません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次