そんな感覚になることはないでしょうか。
毎朝起きて仕事へ行き、頼まれたことをこなし、問題が起きれば対応する。気づけば一日が終わり、また次の日が始まる。
決して怠けているわけではない。むしろ、真面目にやっている。それなのに、ふとした瞬間に「このままでいいのかな」と思う。
去年も忙しかった。一昨年も忙しかった。5年前も、それなりに頑張っていた。
では、5年前と比べて、自分の人生はどれくらい変わったのだろう。
私自身、そんな時間を長く過ごしてきました。
頑張ることと、前に進むことは同じではなかった
私は2004年に介護タクシーを始めました。仕事がなければ営業へ行き、生活が苦しい時期には昼間に介護タクシーの仕事をして、夜は倉庫でアルバイトもしていました。
自分なりに一生懸命やっていました。
だから、「これだけ頑張っているのだから、いつか状況は良くなる」と、どこかで思っていたのだと思います。
でも今振り返ると、頑張ることと前に進むことは、必ずしも同じではありませんでした。
忙しくしていると、今日を乗り切ることに精いっぱいになります。「自分は本当はどこへ行きたいのか」「5年後、どうなっていたいのか」。そんなことを考える余裕もなくなります。
そして気づけば、時間だけが過ぎていく。
私は本当の意味で事業と向き合い始めたのが46歳でした。介護タクシーを始めて、すでに19年ほど経っていました。
もっと早く気づいていればと思うことはあります。
でも、今はそれほど過去を悔やんでいません。
なぜなら、46歳からでも変わり始めたからです。
努力の量ではなく、努力する場所を変えてみる
最近、「川上を押さえる」という考え方を学びました。
川の下流で流れてくるものを一つずつ拾い続けるのではなく、その流れが生まれている上流を見るという考え方です。
これを自分の仕事に置き換えたとき、少し腑に落ちました。
仕事が足りなければ営業を増やす。売上が足りなければもっと働く。人が足りなければ自分が現場に出る。
私は長い間、起きた問題を自分が頑張ることで解決しようとしていました。
でも、努力が足りなかったのではなく、努力する場所を変える必要があったのかもしれません。
これは仕事だけではなく、人生にも当てはまるような気がします。
うまくいかないとき、私たちは「もっと頑張らなければ」と考えます。
でも、すでに十分頑張っている人もいます。
そんなときは、さらに自分を追い込むのではなく、「今までと違う場所で頑張ってみよう」と考えてみてもいいのだと思います。
私がこれから力を使う3つの場所
私の場合、これから力を使っていきたい場所を3つに決めました。
介護タクシー事業者教育、移動サポートネットワーク(ISN)、そして起業家育成です。
20年以上かけて経験してきたことを次の事業者へ渡す。介護タクシー事業者同士が助け合える仕組みをつくる。そして、自分と同じように「これから何かを変えたい」と思っている人が、一歩踏み出すきっかけをつくる。
以前の私は、自分が何件仕事をしたか、いくら売上をつくったかを中心に考えていました。
これからは、それに加えて「自分の働きかけによって、何人が動けるようになったか」も大切にしたいと思っています。
自分一人が頑張り続ける人生から、誰かと一緒に前へ進む人生へ。
49歳になった今、少しずつ自分の役割も変わってきたように感じています。
人生を一気に変えなくてもいい
40代、50代になると、「今さら変えられるのだろうか」と考えることがあります。
私もそうでした。
若い頃とは違います。家族もいる。仕事もある。守らなければならないものも増えています。
だから、全部を捨てて人生を変える必要などないと思っています。
私自身も、ある日突然すべてを変えたわけではありません。
人に会った。
学びに行った。
今までやらなかったことを一つやってみた。
そして、また次の一つをやった。
振り返ってみると、それだけです。
人生を変えようと思うと、とても大きなことに感じます。でも、「今日一つだけ、今までと違うことをする」と考えれば、それほど怖くありません。
今日一つ変われば、それでいい
49歳の私にも、できていないことはたくさんあります。失敗もしますし、迷うこともあります。
それでも46歳の頃の自分と比べれば、見えている景色は変わりました。
だから今は、「もっと早く始めればよかった」ではなく、「あのとき始めてよかった」と思っています。
過去をやり直すことはできません。でも、これまでの経験や失敗、遠回りした時間まで捨てる必要もありません。
全部持ったまま、これからを少しずつ組み直していけばいい。
もし今、「このままでいいのかな」と感じているなら、今日すぐに答えを出さなくてもいいと思います。
ただ、その気持ちをなかったことにはしない。
会いたかった人に連絡してみる。興味のある場所へ行ってみる。ずっとやろうと思っていたことを一つ始めてみる。
それくらいでいい。
人生が変わる瞬間は、案外そんな小さなところから始まるのかもしれません。
私もまだ、その途中です。

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